基本情報

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西田 隆義

NISHIDA Takayoshi


職名

教授

研究分野・キーワード

生態学

プロフィール

研究課題(研究概要)
自然生態系において自然のバランスをもたらす機構について研究しています。具体的には、生態系における縦の関係である「捕食—被食関係」と横の関係である「競争関係」について、それぞれ、被食者の捕食回避策とそのコスト、および近縁種間の繁殖干渉に焦点をあてて研究しています。
 被食者は捕食を避けるために多大なコストを払っており、その結果、捕食—被食関係が表面的には消滅する場合があります。たとえば、休耕田にすむトゲヒシバッタはカエルに対して特異的な捕食回避策を発達させているため、捕食は生じていませんが、捕食回避のためにかなりのコストを費やしていることが分かってきました。このような関係は、普遍的に存在するので、捕食者の餌メニューを調べるだけでは重要な捕食—被食関係をみのがすことが明らかになってきています。
 近縁種は、餌資源などをめぐる競争がなくてもすみわけているのが普通です。この現象を、近縁種間に潜在的にある繁殖干渉で説明しています。たとえば、外来タンポポは在来のカンサイタンポポを急激に駆逐しますが、同じく在来のトウカイタンポポ(分類学的にはカンサイタンポポと同種)は、むしろ外来タンポポを圧倒しています。この違いは、無性生殖である外来タンポポの花粉がカンサイタンポポの結実を阻害する一方、トウカイタンポポには何の影響も与えないことで簡単に説明できます。外来タンポポは、資源をめぐる競争で在来種よりも優位なのではなく、たまたま「花粉」という飛び道具が予期せぬ効果を発揮するために一部の在来タンポポを駆逐することが分かりました。実際、外来タンポポは、在来タンポポに比べてひ弱で、よく死にます。
 動物では、種間交雑に至る前に、求愛の過程で繁殖干渉が働くことが多いようです。種間の配偶行動は途中で終わるのが普通で、種間交尾に至りませんが、その場合であっても、メスの産卵や採餌あるいは同種オスとの交尾を妨害することで、強い繁殖干渉が生じることが分かっています。つまり、これまでの研究では種間交雑にばかり注目して、それよりもずっと重要な「雑種形成を伴わない繁殖干渉」を見逃してきたわけです。
 このような繁殖干渉という考えを使って、外来種の侵入リスク、在来種の分布や資源利用パターンの説明、有性生殖と無性生殖の関係など、広範な生態現象を統一的に説明することを試みています。

出身学校 【 表示 / 非表示

  • 京都大学  理学部  1981年03月

取得学位 【 表示 / 非表示

  • 農学博士  京都大学  1988年03月

学内職務経歴 【 表示 / 非表示

  • 滋賀県立大学  環境科学部  環境生態学科  教授   2010年10月  - 現在

所属学会 【 表示 / 非表示

  • 日本応用動物昆虫学会  

  • 日本昆虫学会  

  • 日本生態学会  

  • 個体群生態学会  

研究分野(科研費分類) 【 表示 / 非表示

  • 生態・環境

 

研究テーマ 【 表示 / 非表示

  • 繁殖干渉によるすみわけの説明

    繁殖干渉

  • 捕食の非致死的効果が捕食ー被食系の動態に与える影響

論文 【 表示 / 非表示

  • 水田のタニシ (Bellamya chinensis laeta) がシャジクモ (Chara braunii) の生存に及ぼす影響.

    髙柳春希,西田隆義

     水草研究会誌(受理)    2016年

    共著  共同(副担当)

  • Flowering phenology and mating success of the heterodichogamous tree Machilus thunbergii Sieb. et Zucc (Lauraceae).

    Watanabe, S., Noma, N., & Nishida, T.

     Plant Species Biology  31   29  - 37  2016年

    共著  共同(副担当)

  • 検疫害虫ミバエ類の同属近縁種Bactrocera carambolaeとB. papayaeの原産地インドネシア・ジャワ島における寄主利用の比較

    藤井暢之,Sujiono,籠洋,日髙直哉,高倉耕一,本間淳,塚田森生,沢田裕一,西田隆義

     日本環境動物昆虫学会誌    2016年

    共著  共同(副担当)

  • 水田のアゾラ農法および紙マルチ農法がクモ類の個体数に及ぼす影響

    髙柳春希,西田隆義

     関西病虫害研究報(受理).    2016年

    共著  共同(副担当)

  • Sexual shape dimorphism accelerated by male–male competition, but not prevented by sex-indiscriminate parental care in dung beetles (Scarabaeidae). 

    Kishi, S., K.-I. Takakura and T. Nishida

     Ecology and Evolution  5   2754  - 2761  2015年

    共著  共同(副担当)

  • 伊豆における外来タンポポと在来タンポポ間の繁殖干渉

    西田佐知子,高倉耕一,西田隆義

     Bunrui  15 (1)   41  - 50  2015年

    共著  共同(副担当)

  • 湿地の植生復元を目的とした埋土種子の評価:ベイズモデルに基づく実生発生法と直接観察法の統合的評価.

    郭 英華,高倉耕一,西川博章,西田隆義,浜端悦治

     地域自然史と保全  37 (1)   47  - 59  2015年

    共著  共同(副担当)

  • クラインは宝の山.

    西田隆義

     日本生態学会誌  65   65  - 67  2015年

    単著  

  • Conflicting intersexual mate choices maintain interspecific sexual interactions.

    Takakura, K, Nishida, T & Iwao, K.

     Population Ecology  57   261  - 271  2015年

    共著  共同(副担当)

  • Host specialization by reproductive interference between closely related herbivorous insects.

    Nishida, T, Takakura, K. & Iwao, K.

     Population Ecology  57   273  - 281  2015年

    共著  共同(主担当)

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著書 【 表示 / 非表示

  • 採餌・捕食回避

    本間淳、西田隆義

    共立出版  275p  2012年06月

    単行本(学術書)  共著

  • Alien dandelions displace a native related species through interspecific pollen transfer

    Matsuoto, T., Takakura, K. and Nishida, T.

    Springer  127p  2010年

    単行本(学術書)  共著

  • 天敵なんてこわくない:動物の生き残り戦略

    西田隆義

    八坂書房  206p  2008年06月

    単行本(一般書)  単著

  • 自然界に捕食者が存在することの意味

    西田隆義

    新曜社  198p  2006年05月

    単行本(学術書)  共著

  • 生活史

    西田隆義

    朝倉書店  1200p  2003年03月

    事典・辞書  共著

  • 共生系1:広義の共生

    西田隆義

    弘文堂  617p  1997年03月

    事典・辞書  共著

  • 共生系2:狭義の共生

    西田隆義

    弘文堂  617p  1997年03月

    事典・辞書  共著

  • カメムシ類における自然選択と性選択

    西田隆義

    京都大学学術出版会  455p  1996年10月

    単行本(学術書)  共著

  • オオツマキヘリカメムシの交尾はなぜ長い

    西田隆義

    平凡社  332p  1996年09月

    単行本(一般書)  共著

  • 生態系と生物多様性の破壊

    西田隆義

    有斐閣  302p  1996年07月

    単行本(一般書)  共著

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